Author:
柴田昇 (しばた のぼる)
Publisher:
白帝社
Publication Date:
March 2018
Abstract:
約四百年にわたって続き、後の中国王朝の原型となった漢帝国は、どのようにして始まったのか?秦末の社会状況と陳勝呉広の乱に代表される民衆反乱の発生から、項羽・劉邦の登場、秦帝国の滅亡、項羽の分封、そして楚漢戦争の終結に至るまでの歴史的過程を再検討し、統一王朝誕生の実像に迫る。
Table of Contents:
序章
第一章 秦末反乱の背景と基盤
はじめに
第一節 秦帝国支配の特質
1 統一の理念
2 統一の実像
3 秦帝国の理念と実態
第二節 反乱の基盤
1 抵抗の場
2 抵抗の主体
おわりに
第二章 陳勝呉広の乱とそのインパクト
はじめに
第一節 陳勝と陳勝集団
1 陳勝の出自と陳勝集団
2 木村正雄の陳勝集団論
3 八〇年代末以降の研究動向と「楚」
第二節 陳勝集団の展開と崩壊
1 陳勝集団の拡大:四方への軍団派遣
2 陳勝集団の展開:集団の分裂と崩壊
第三節 陳勝呉広の乱からみた地域の特質
1 趙・燕の動向
2 魏・韓の動向
3 斉・楚の動向と斉・楚・三晋交界地域
4 東方六国の地域的特質
第三章 『史記』項羽本紀考
はじめに
第一節 『史記』の構成と項羽本紀
第二節 『史記』の中の項羽と劉邦(1)
第三節 『史記』の中の項羽と劉邦(2)
第四節 アウトローとしての項羽
第五節 項羽と古帝王
おわりに
第四章 項羽政権の成立
はじめに
第一節 項梁集団の成立
1 項梁集団の蜂起
2 項梁集団の拡大
第二節 楚王の擁立と項羽集団の成立
1 懐王の擁立
2 項梁の戦死
3 救趙戦争と項羽の楚軍掌握
第三節 項羽政権の成立
1 懐王の約と項羽の分封
2 十八王封建の特徴
3 十八王封建の論理
おわりに
第五章 劉邦集団の成長過程
はじめに
第一節 劉邦集団の成立
1 集団の成立と沛の制圧
2 楚軍への合流
第二節 関中攻略の背景
1 懐王の約の意味
2 第一のクーデター
3 第二のクーデター
第三節 漢王劉邦の誕生
1 戦後処理と懐王の約
2 封建体制の解体
おわりに
第六章 楚漢戦争の展開過程とその帰結
はじめに
第一節 地域の動きと彭城の戦いの情勢
1 斉
2 韓・魏
3 趙・燕
4 旧秦
5 楚の諸王(1)
6 楚の諸王(2)
7 小結:楚漢戦争初期における諸国の特質
第二節 彭城の戦いと漢の東方再進出
1 彭城の戦いと「五諸侯」
2 彭城の戦い前後における諸侯の動向
3 漢の敗走と関中の拠点化
4 漢の東方再進出
5 小結:漢二年末~漢三年初頭における諸国の動向
第三節 楚漢抗争と梁・斉
1 漢三年正月~漢四年九月の楚漢関係
2 趙・斉・梁の動向
3 小結:楚漢の和睦と諸侯の動向
第四節 項羽政権の崩壊
1 最末期の楚漢戦争(1)
2 最末期の楚漢戦争(2)
3 最末期の楚漢戦争(3)
4 楚漢戦争の終結
5 小結:楚漢戦争最末期における諸侯の動向
おわりに
終章
後記
秦末楚漢戦争期月表
研究者名索引
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