Author:
沢田勲 (SAWADA Isao)
Publisher:
山川出版社
Publication Year:
2015
Abstract:
モンゴル高原の一騎馬遊牧民に過ぎなかった匈奴は,前3世紀後半,冒頓単于があらわれると瞬く間に北アジア諸族を征服して覇権を樹立した。冒頓はクーデタで父を殺し権力を奪取したという暗い過去をもつ。ふつうであれば悪逆非道な人物と思われがちだが,彼は匈奴の民に勇者として迎えられている。本書はその人気の秘密をさぐり,冒頓がいかにして匈奴遊牧国家を強大化し,南の秦・漢中国王朝と対抗したのか,その姿を描き出してみたい。
Table of Contents:
モンゴル高原
(1)匈奴と中国
北アジア諸族の始祖説話/匈奴と「中華世界」/匈奴の故地/春秋・戦国期の匈奴/匈奴と秦/万里の長城
(2)冒頓の雄飛
冒頓のクーデター/前三世紀後半の北アジア情勢/冒頓の東胡征討
(3)白登山の戦い
中国北方の動揺/白登山の戦い/遊牧君主と中国皇帝との違い/兄弟の和約/関市
(4)匈奴遊牧国家の成立
冒頓の遠征/中国北方への侵入/匈奴という名称/単于位がもつ意味/単于を支えた姻戚氏族/匈奴「二十四長」
(5)匈奴遊牧国家の性格
ゆるやかな部族連合/匈奴単于権の実態/冒頓がめざしたもの
冒頓単于とその時代
参考文献
図版出典一覧
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