Editor:
中国出土資料学会
Publisher:
東方書店
Publication Year:
2014
Abstract:
出土資料を扱う研究の歴史が長いことは本書の中でも触れられているとおりですが、近年資料が次々発見されたことで、出土資料研究は日本に限らず、中国をはじめとした世界中で活気を帯びています。そして出土資料を使った研究により、これまでわからなかった中国の近代以前の実像が徐々に明らかになってきています。このような新しい研究状況を広く知ってもらいたい、それが本書を学会として編集するに到った理由です。また近年、中国の古い時代に興味を持つ若い世代の人が少なくなる傾向があります。現代の社会が大きく変化している中で、他国の歴史、それも古い時代に興味を持つことが難しくなっていることが背景にあると思いますが、そのなかでも少しでも多くの人に近代以前の中国の面白さを知ってもらい、興味を持ってもらいたい……、そう考えたことも本書を作る契機になりました。
Table of Contents:
はじめに―出土資料って何? 原宗子
目次
用語の説明
第1章 出土資料でわかること
1-1 地下の文書館を掘る 小澤正人
1-2 殷周時代の文字資料―甲骨文・金文― 角道亮介
1-3 ベールを開いた「法治」 石岡 浩
1-4 大昔の犯罪捜査と裁判を覗く 水間大輔
1-5 王様と暦 平勢隆郎
1-6 「家族」のあり方 小寺 敦
1-7 何を食べていたのか 村上陽子
1-8 自然環境の変化を辿る 原 宗子
1-9 青銅貨幣は語る 江村治樹
1-10 祀りと占いの世界 池澤 優
1-11 諸子百家はどう展開したか 西山尚志
1-12 絹に記す典籍、木切れに書く便り 工藤元男
1-13 経学とは何か 池田知久
1-14 儒家思想が台頭するまで 井ノ口哲也
1-15 文字はこう変わった 大西克也
1-16 南方の風俗・文化は独自か?-楚簡の世界 森 和
1-17 医学の発生 真柳 誠
1-18 太極拳のルーツ 川村 潮
1-19 謎の人物が判った! 友田真理
1-20 戦争はこう変わった 下田 誠
1-21 歌とコトバと音楽と 荻野友範
1-22 神話の消滅と誕生 吉冨 透
1-23 画像は語る 菅野恵美
1-24 地域の取り決めを記す 小嶋茂稔
1-25 中国古代のボードゲーム 鈴木直美
1-26 『三国志』のウラガワ 阿部幸信
第2章 どこから何が出てきたか
地図
2-1 敦煌・トゥルファン(甘粛省・新疆ウイグル自治区) 關尾史郎
2-2 エチナ~居延(内蒙古自治区) 吉村昌之
2-3 馬王堆(湖南省) 名和敏光
2-4 銀雀山(山東省) 水野 卓
2-5 鳳凰山(湖北省) 柿沼陽平
2-6 睡虎地(湖北省) 飯尾秀幸
2-7 宝鶏県太公廟・梁帯村芮国墓地(陝西省) 高津純也
2-8 阜陽双古堆(安徽省) 冨田美智江
2-9 襄汾陶寺(山西省)と周原(陝西省) 岡本真則
2-10 張家山(湖北省) 椎名一雄
2-11 天水(甘粛省) 海老根量介
2-12 包山(湖北省) 廣瀬薫雄
2-13 龍崗(湖北省) 馬彪
2-14 敦煌懸泉置(甘粛省) 藤田勝久
2-15 尹湾(江蘇省) 渡邉将智
2-16 郭店(湖北省)と〈上博楚簡〉 谷中信一
2-17 長沙(湖南省) 伊藤敏雄
2-18 里耶(湖南省) 青木俊介
2-19 郴州(湖南省)と南京(江蘇省) 永田拓治
2-20 長安(陝西省)と固原(寧夏回族自治区) 小林 岳
コラム 「骨董簡」とよばれるモノ 冨谷 至
あとがき 小澤正人
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